日本は、世界に先駆けて超高齢社会を迎えています。高齢者の増加に伴い、認知症の増加や加齢性難聴者が今後も増加する事になります。近年、難聴によってうつ傾向が起こりやすい・認知機能の低下が起こる等が報告されるようになってきました。そこで日本における補聴器の所有率をご紹介します。
補聴器の市場については、ジャパントラックと呼ばれる調査があり2012年、2015年、2018年、2022年と定期的に実施されています。日本だけでなく各国で同様の調査が行われている為、各国のデータを比較する事ができます。
日本では2022年に行われた1万4061人を対象に調査が行われ、そのうち1406人が難聴者でした。これは、あくまで自己申告による難聴の集計であり、実際は自覚していない難聴者もいると思われる為、もっと多くの難聴者が存在すると考えられます。
まず、人口当たりの難聴者の比率を見てみましょう。

難聴者の比率には、ほとんど差はない事が分かります。では、そのうちどの位の人が補聴器を所有しているのでしょうか。

イギリスは53%、フランス46%、ドイツ41%と高いですが、日本は極端に少ないのです。補聴器の普及については、健康保険で補聴器を支給される国もある為、助成制度の有無が関係しているかもしれません。それ以外には、補聴器のイメージも関係しているかもしれません。昔に比べて補聴器は進化していますが、「補聴器は自分にはまだ早い」「年寄りくさい」「雑音ばかりで役に立たない」といったネガティブなイメージを持たれているのかもしれません。
次に、補聴器の有用性について見てみます。「補聴器はあなたの仕事上でどのように役立っていますか?」という質問項目がありました。この項目は、仕事を持っている補聴器装用者に聞いたもので、90%の人が仕事上で役に立っていると回答しています。
「補聴器はあなたの生活の質の改善にどのように役立っていますか?」という質問項目に対しては、「結構役に立っている」「時々役に立つ」を合わせて86%でした。


今後、さらに高齢化が進む日本において補聴器の所有率が低い事は大きな課題です。誰もが加齢性難聴になるのであれば早めに補聴器をつけた方が人とのコミュニケーションがとりやすく活動範囲が広がるかもしれません。
