【アンケート調査レポート】シニアの「セカンドコミュニティ」継続の秘訣は 「参加者との会話を楽しむこと(60.3%)」 社会とのつながりを大切にするポジティブな実態が判明! 外出を阻む壁は「足腰」だけではない!? 約17%が「きこえの低下」も不安要素に挙げる一方、約86%が前向きに解決して居場所を大切にしたいと回答
世界トップクラスのシェアをもつデンマークの補聴器メーカーの日本法人GNヒアリングジャパン株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:マーティン・アームストロング)は、 60-75歳のシニア層男女300名を対象に「セカンドコミュニティときこえの実態調査」を実施しました。
シニア層にとって、「自宅以外で、社会との接点を持ち続けながら、自分らしさを感じられる場所や人間関係」である“セカンドコミュニティ”は、日々の生活の充実や自分らしさを保つために非常に重要な要素です。本調査では、そうしたセカンドコミュニティの実態と、その継続に対する秘訣について調査を実施しました。その結果、セカンドコミュニティを楽しみ続ける秘訣が「会話」にあること、そして足腰などの身体的な不調だけでなく「きこえの低下」が参加の壁になり得ることが明らかになりました。同時に、その壁に対して前向きに解決して大切なつながりを守ろうとするポジティブな実態も浮き彫りになっています。
本調査結果を踏まえ、早稲田大学の石田光規教授より社会とのつながりにおける「コミュニティ」と「会話」の重要性についての解説を公開します。
調査サマリー
- Topics①:コミュニティ参加目的1位は「リフレッシュ(50.7%)」“会話”が社会とのつながりをもたらす
- Topics②:セカンドコミュニティを楽しみ続ける秘訣、第1位は「参加者との会話を楽しめること」
- Topics③:長く楽しむための隠れた不安要素。約17%が「きこえの低下による会話のしづらさ」を懸念
- Topics④:セカンドコミュニティの時間と人間関係を守るために。86.3%が「きこえ」の課題を前向きに解決し、大切な居場所を守りたいと回答!
Topics①:セカンドコミュニティ参加目的1位は「リフレッシュ」。趣味や友人との集まりでの“気軽な会話”が社会とのつながりを育む
現在参加している「セカンドコミュニティ」の種類を聞いたところ、「友人・知人との集まり(50.0%)」が最も多く、次いで「趣味のサークルやチーム、クラブ・同好会(40.7%)」、「地域の活動団体・自治会・町内会/ボランティア団体(30.7%)」が続きました。具体的には、テニスや卓球などのスポーツサークルやヨガ教室をはじめ、スポーツ観戦、推し活、バードウォッチングなど、多様なアクティビティが楽しまれています。 そうしたコミュニティに参加する目的としては、1位が「リフレッシュ(50.7%)」、次いで「気軽に話せる場(47.7%)」が挙がりました。さらに、「趣味・特技のスキルを深める(36.0%)」といった回答のほかに、「社会とのつながりや社会貢献(28.3%)」、「新しい友人や知人に出会えること(27.0%)」といった目的も多く集まっています。
こうした結果から、シニアにとってセカンドコミュニティは、友人との集まりや趣味のサークルなどを通じて、まずは心と体をリセットしたり、気分転換をする場であることがわかります。何かのスキルアップや実利以上に、情緒的な「心身の息抜き」を求めており、「気軽なおしゃべり」が大きな役割を果たしていることがわかりました。
その何気ない会話を楽しむことが、結果として新たな出会いに繋がり、社会との接点を保ち続けるための大きな役割を担っていることが読み取れます。


Topics②:セカンドコミュニティを楽しみ続ける秘訣、第1位は「参加者との会話を楽しめること」
年齢を重ねた後もセカンドコミュニティへの参加を続けたり、楽しんだりするために大切だと思うことの第1位は「参加者との会話を楽しめること(60.3%)」でした。次いで「自分の健康状態を維持すること(46.3%)」、「世代を超えた交流ができること(45.3%)」が続きます。
Topics①で出た「気軽なおしゃべり」をコミュニティ参加の目的として大きな要素であることが判明した上、継続の秘訣が「参加者との会話を楽しめること」が健康維持などを抑えて1位になったことで、「会話=居場所を楽しむために重要なこと」であることが浮き彫りになりました。シニアの方々にとってセカンドコミュニティはアクティビティ自身を楽しむだけでなく、「他者とのコミュニケーション(会話)」を楽しむことが、コミュニティ参加の価値を引き上げる秘訣であることがわかります。

Topics③:長く楽しむための隠れた不安要素。約17%が「きこえの低下による会話のしづらさ」を懸念
セカンドコミュニティに参加し続けるうえで、ご自身の身体に関して気になること(将来の不安含む)を聞いたところ、1位の「体力が落ち、長時間の外出がつらくなること(33.3%)」、「歩く・移動するのがつらくなること(30.7%)」といった足腰の不安に次いで、「耳が聞こえづらくなり、会話しづらくなること」を挙げた人が17.3%にのぼりました。
コミュニティ参加の楽しみである「気軽なおしゃべり」を妨げる可能性のある「きこえの低下」であり、それは足腰の衰えに次ぐ大きな関心事となっていることがわかります。
足腰だけでなく、「きこえ(会話への参加)」が外出やコミュニティ参加の大きな壁になり得ることが明らかになりました。

Topics④:セカンドコミュニティの時間と人間関係を守るために。86.3%が「きこえ」の課題を前向きに解決し、居場所を大切にしたいと回答!
もし聞こえづらくなり会話を楽しめなくなった場合、どのような不安を感じるかという問いに対し、「活動の内容が理解しづらくなるのではないかと不安(18.0%)」「周囲に気を遣わせてしまうのではないかと心配(16.3%)」「自分の意思がうまく伝わらなくなることが心配(16.0%)」「会話についていけず、孤立してしまいそう(14.0%)」といった、活動自体の楽しみや他者との関係性が薄れてしまうことに、懸念の声が挙がりました。
しかし、そうした課題が生じた場合でも「積極的に解決しようと思う(33.0%)」と「どちらかといえば解決しようと思う(53.3%)」を合わせて、実に86.3%もの人が解決に対して前向きな回答をしました。
コミュニティでの時間を楽しみたいため、それを阻むものがあった場合には解決しようという強い意欲を持っていることがわかりました。家族から一歩離れた自分の居場所を楽しみ続け、コミュニティにおける周囲との良好な関係を保ち続けるには、きこえのケアが重要であることが浮き彫りになった調査結果となりました。


本調査に関する総括
超高齢社会を迎えた現代において、シニア層の健康寿命の延伸や社会的孤立の防止が重要な課題となっています。厚生労働省の方針や各種研究においても、地域活動への参加など「社会とのつながり」が心身の健康維持に寄与することが報告されています。*¹
そうした中、家庭以外に、社会との接点を持ち続けながら、自分らしさを感じられる場所や人間関係“セカンドコミュニティ”が果たす役割が社会全体で再評価されています。 人生100年時代と言われる今、シニアの方々が日々の生活の充実をどこに見出し、どのようなつながりを求めているのか。そして、その大切なつながりを長く維持していくための障壁(課題)は何なのか。本調査は、人とのつながりの基盤となる「きこえ(会話)」の視点から、現代のシニアコミュニティの実態と社会的な傾向をひも解くために実施いたしました。
本調査を通じて、現代のシニア層は友人との集まりやスポーツ、推し活といった多様なアクティビティを日常的に取り入れ、実利的な目的だけでなく「心の充実」や「他者との情緒的なつながり」を求めてコミュニティに参加している姿が浮き彫りになりました。
また、そうした豊かな人間関係の基盤となる「会話」を阻害する要因として「きこえの低下」が懸念されているものの、特筆すべきは、多くのシニアがその課題に対して諦めるのではなく、自ら解決策を見出して現在の居場所を維持しようとする高い意欲を示している点です。
これらの傾向から読み取れるのは、現代のシニアにとっての「きこえのケア」は、単なる加齢への消極的な対処ではないということです。それは、「自分らしくいられる居場所を守り、周囲との良好な関係性をアクティブに保ち続けるためのポジティブな選択」として捉えられていると言えます。人生100年時代において、社会とのつながりを能動的に楽しもうとする姿勢がうかがえる結果となりました。
*¹ 厚生労働省「健康日本21(第二次)」、および社会参加と健康に関する各種研究より
| <調査概要> ・年代/調査人数 60 - 75歳 男女 300名 ・調査期間:2026年4月10日(金)〜 4月12日(日) ・調査方法:インターネット調査 ※構成比は四捨五入の都合上、合計が100%にならない場合があります |
石田 光
石田 光規教授による解説
世の中で孤独・孤立の不安が叫ばれるなか、家族、職場以外でくつろげる場に注目が集まっています。ケータイ、スマホが普及したことで、私たちは特定の場に赴かなくとも、人と簡単につながれるようになりました。しかしながら、こうしたつながりは、事前の約束を要する、同じ人を連続して誘いづらい、といった特性があります。だからこそ、約束することなく気軽に通える場が必要なのです。
そうした場の確保は、健康の維持・増進に役立ちます。実際に、家庭や職場以外に居場所をもっている人ほど幸福感が高い、という研究結果もあります。そのさい重要になるのが、「やること」と「漏れ出てくる会話」です。
居場所は、その場に訪れる人に初めから「居場所」と認識されているわけではありません。その場に過ごし続け、居心地いいと感じられるようになることで、ある空間は居場所になるのです。その過程で求められるのが、「やること」と「漏れ出てくる会話」です。
初めて訪問した場で、交流を強調されすぎてしまうと、緊張してなじめない、という人は少なくありません。奥手な日本人は特にそのような傾向があります。したがって、何か「やること」があったほうが場になじみやすいのです。スポーツ、文化活動、環境活動など、なんでもよいでしょう。
とはいえ、ただひとり、ぽつねんと何かをやっているだけでは、その場は居場所になりません。ある場に行き何かをやりつつ、ぽつぽつと漏れ出るように会話を交わすことで、帰属の感覚が生まれ、場は居心地の良い空間に変わってゆきます。会話は場を居心地よいものにする潤滑油なのです。
今回の調査では、ある場(セカンドコミュニティ)に参加するにあたり、人びとはリフレッシュや会話を求めていることが明らかになりました。その一方で、外出や移動がつらくなったり、耳が聞こえづらくなったりすることに不安を抱えている人も一定数います。加齢による衰えは、私たちに必然的にやってきます。しかしながら、そうしたことは移動手段の確保や機器の利用などにより、改善することも可能です。セカンドコミュニティでの生活を楽しむためにも、ちょっと話を聞き取りづらくなったと感じた時には、補聴器をつけるのもよいでしょう。
石田 光規教授 プロフィール

早稲田大学文学学術院教授
石田 光規(イシダ ミツノリ)
【専門分野】 社会学(ネットワーク論、産業社会学、人間関係論、家族社会学、若者論)。現代日本における人間関係や孤独の問題を中心に、若者のコミュニケーションや友人関係に関する実証研究を多数実施。
【略歴】 1973年生まれ。1997年立教大学社会学部卒業。2008年東京都立大学大学院にて博士(社会学)を取得。大妻女子大学人間関係学部の専任講師および准教授などを経て、2014年より早稲田大学文学学術院准教授、2016年より現職。2010年には第7回日本労働社会学会奨励賞を受賞。 近年は、内閣官房や内閣府の「孤独・孤立対策」に関する有識者会議の委員やワーキンググループの座長なども歴任し、社会課題の解説にも積極的に取り組んでいる。
【主な著書】 『孤立の社会学:無縁社会の処方箋』(勁草書房、2011年)、『孤立不安社会――つながりの格差、承認の追求、ぼっちの恐怖』(勁草書房、2018年)、『「友だち」から自由になる』(光文社新書、2022年)、『自己決定の落とし穴』(ちくまプリマー新書、2025年)など多数
教授による解説